奥平康弘 
V,1980〜1989年 

以下のリストは原則として、作成者(管理人)が現物を直接確認したもののみ掲載しています。従ってほぼ全てのものの現物またはコピーを手元に所持しています。
(その過程で、例えば1973年や1974年の欄の注記にあるような、その後単著書に収録された際の初出情報の誤記などに気づくことがありました。)
また現時点(2017年5月現在)で情報としてはあるものの、現物を見ることが出来ていないため以下のリストに掲載していないものが奥平教授の場合数点あります。これらについても順次確認の上、掲載していきます。

<対談、鼎談、座談><インタビュー><書評><判例評釈>

奥平康弘教授の略歴・著書のページ に掲載の『単著書』にその後収録されたものについては題名の後に「→≪略号≫」の形で記載してあります。
また『単著書』における「書き下ろし」の論文の場合は題名の後に「≪略号≫」の形で記載してあります(矢印がなし)。
『共著書』『単編著書』『共編著書』及び≪略号≫を用いない『単著書』に書き下ろした論文については、題名の後に「B○『書名』」の形で記載してあります。

2017年に新たに確認して追加したものには、 のマークが付いています。

樋口陽一、中島徹、長谷部恭男編『憲法の尊厳−奥平憲法学の継承と展開』日本評論社、の522〜560頁「奥平康弘先生主要著作目録」への転載に際しては、「『著書・編著書』に書き下ろしたもの」「学生向けの解説」「(日本の裁判所の)判例評釈」「事典の項目解説」「翻訳」「新聞コメント」については、ごく一部のみを掲載し大多数は割愛されています。
上記「著作目録」に掲載されていないものについてはその冒頭に●を付してあります。


 
[1980]
日本における情報公開の立法上の視点(特集 情報化時代の法律問題) ジュリスト1月1日号 →≪表現U≫
『情報公開』の意味するもの−守秘義務、“役所本位”の脱却こそ 信濃毎日新聞1月16日朝刊 →≪視点≫
●『昭和思想統制史資料』の刊行にあたって CB『昭和思想統制史資料 第1巻−共産主義・無政府主義篇@』
●解題 同上
清沢洌『暗黒日記』、正木ひろし『近きより』−“戦前”を自らのものにするために 朝日ジャーナル2月1日号 →≪視点≫
大平式「情報公開法」を排す−情報は誰のものか 朝日ジャーナル2月8日 →≪視点≫
歴史から学ぶもの<潮> 週刊東洋経済2月9日号 →≪視点≫
裁判官ダグラスの生涯<思想の言葉> 思想3号(669号) →≪視点≫ →岩波書店編集部編『思想の言葉−『思想』1962〜1989 V』岩波書店、2001
公共放送とは何か(討論のひろば) +田原総一朗、加藤寛 朝日新聞3月26日朝刊
●現行制度では確定判決が出るまでは再販できない(ニュースの真相を追う 「何が猥褻か」と売りまくる大島渚・三一書房、意地で摘発する警視庁) 月刊サーチ4月号 =『愛のコリーダ』裁判についての特集記事中談話 
今日の日本と治安維持法(法経学会秋季講演会) 法経論集16号(静岡大学法経学会ゼミナール連絡協議会) →≪視点≫
清水英夫著『言論法研究』、『精神的自由権』 週刊読書人4月7日号
街頭演説の許可制(最高裁昭和35年3月3日第三小法廷判決) 『憲法判例百選T』別冊ジュリスト68
●市民側の要求必要(関心高まる情報公開法) 朝日新聞4月25日朝刊
M・フィッツジェラルド著(長谷川健三郎訳)『囚人組合の出現』−囚人たちの「人権宣言」 図書新聞4月26日号

連合の時代と憲法九条−重大な岐路、野党「現実化」 信濃毎日新聞5月3日朝刊 →≪視点≫
現代民主主義の課題と憲法 +美濃部亮吉、石橋政嗣、島崎譲 月刊社会党5月号
最高裁決定の問題点と今後(北海道新聞記者取材源秘匿裁判) +大野正男、町野朔、藤村早苗、野村二郎 新聞研究5月号
知る権利の保障と社会教育(特集 現代の人権と社会教育) 月刊社会教育5月号
大きな潮流の中の違憲判決(特集 税関ポルノ違憲訴訟を語る−札幌地裁違憲判決をめぐって) 人権新聞5月17日号
●憲法(70年代と憲法、憲法判例の動向−いくつかの違憲判決、憲法裁判の保守化、厳しい憲法状況、80年代憲法状況への展望) 『世界大百科年鑑1980』平凡社
●裁判・憲法判断(≪四畳半襖の下張≫事件控訴審,被告の控訴棄却、殉職自衛官合祀拒否訴訟,原告勝訴の判決、麹町中学内申書裁判,原告勝訴、学力テスト裁判に決着,大阪学テ判決) 同上
●オピニオン・ジャーナリズム一九七九 同上 →稲葉三千男編『「マスコミ」の同時代史』平凡社、1985
“国家秘密”と情報公開 +篠原一、原寿雄、堀部政男 世界6月号
選挙運動に対する規制と表現の自由(特集 公職選挙法をめぐる諸問題) 自由と正義7月号 →≪表現V≫
ツリ銭授受−引き算と足し算<TEA TIME> 数学セミナー7月号 =「法」学セミナーではありません
戦後民主主義と現代思想 +家永三郎 現代と思想40号(終刊号)
情報公開法制定にむけて 月刊社会党7月号
「正義」のバロメーター<巻頭言> 不動産法律セミナー8月号
●訳者あとがき =江橋崇(共訳者)との共同執筆 EB『戦前日本の思想統制』
情報公開とジャーナリズム +篠原一、原寿雄、堀部政男 世界8月号
平和憲法−組織的に右旋回、歯止めなく戦争体験風化(変容する政治状況−戦後35年の軌跡<中>) 信濃毎日新聞8月14日朝刊 →≪視点≫ 
改憲論議をただす−いまこそ価値再認識 朝日新聞9月18日夕刊 →≪視点≫
情報公開法−その意味と法制化の展望 経済10月号

現代日本と警察 『現代の警察−日本警察の実態と理論』法学セミナー増刊・総合特集シリーズ13 →≪視点≫
国政調査権の法的・制度的問題点(報告) 
立法と調査10月号 →≪視点≫
国会の国政調査機能をめぐる諸問題(シンポジウム) +松沢浩一、松下圭一、佐藤功、清水睦、他 同上
情報公開法(条例)について 自治研究56巻11号 →≪表現U≫
●新鮮味のない判断−「四畳半襖の下張」判決 
信濃毎日新聞12月3日朝刊
●人権保障とその制約原理 和田英夫編『憲法教室−民主・平和・人権の原点を探る』有斐閣(選書)
●憲法の人権保障は私人と私人の関係に及ぶか 同上
●人権と憲法訴訟−違憲判断の基準 同上
論壇時評 北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞夕刊 =タイトル、日付は中日新聞のものを掲載 →≪視点≫
 裁判所内幕えぐる、ニュージャーナリズム日本でも議論を期待−米書『ザ・ブレザレン』を読んで 1月30日
 対ソ関心を分析−『諸君!』の特集、一方で情報公開法の動き−『世界』の二論文  1月31日
 冷戦再来論戒める−ソ連のアフガン侵攻で関・高坂論文、小説ながら不気味な現実感−フォーサイスの『悪魔の選択』 2月28日
 “ソ連憎し”あおる、見落とせぬ“背後の政治”−自衛隊スパイ事件にみる迎合と批判 2月29日
 死刑は必要か否か、今こそ真剣に議論を 3月27日
 楽観的すぎる日本、ユンク原発の怖さ説く−石油危機→代替エネルギー問題 3月28日
 “国家とは何か”問う、威勢よい軍事力のタカ派論 4月25日
 目立つ権力的な発想、話題のNHK『公共放送』論 4月26日
 『防衛』に財界高姿勢、沖縄処分といえる現実路線 5月29日
 世界平和脅かす恐れ、日本『心理国家』化に歯止めを 5月30日
 “角影内閣”いざ拝見、興味深いライシャワー観察 6月25日
 読む側に迫ってこぬ−『中央公論』の松原正、憲法体系そのものに総攻撃−『諸君』の清水幾太郎 6月26日
 歴史に耐える認識を、軍備増強論争の基礎に 7月30日
 歴史の風化進む、戦無派へ心地よい響き−江藤淳や清水幾太郎の論調 7月31日
 いまという時が大事、韓国情勢への日本の対応 8月27日
 理念と現実にゆれる、活発な防衛力と憲法論議 8月28日
 保守派の内ゲバ?、福田が全面的な清水批判 9月29日
 黙視はできない、金大中氏への死刑判決 9月30日
 映画は格好の素材−ポーランド『大理石の男』、“弱い者いじめ法”の疑問−保安処分制度 10月29日
 領土争いは外観だけ、内実は高度の“政治戦争”−わかりにくいイラン・イラク戦争 10月30日
 “新中間大衆”を設定−村上が保守化現象を分析 11月26日
 高まった防衛論議、清水の“極端論”が受ける 11月27日

朝日新聞1980年2月29日夕刊の宮崎義一「論壇時評<下>」にて、この論文が紹介されています。

 
[1981]
どう守るプライバシー−法的な仕組みをきちんと<視角> 信濃毎日新聞1月1日朝刊
●非公開は最小限度に−情報公開制度の意義と課題 社会新報1月1日号 =1980年11月26日、情報公開シンポジウムでの基調講演をまとめたもの
真の民主主義へ−重要な個人秘密保護(迫る情報公開) 徳島新聞1月3日朝刊 
“青少年条例”をめぐって +沢登俊雄、清水英夫、中村泰次 『青少年条例』法律時報増刊
●はしがき CC『青少年保護条例 公安条例』 =「はしがき」は青少年保護条例と公安条例とで別々に執筆されています。
●青少年保護条例の沿革 同上
●条例運用の実態 神奈川県 同上
●基本的人権の主体と青少年 同上
●適正手続 同上
●はしがき 同上
●公安条例をめぐる裁判 同上
Australian and Japanese Constitutions, in Peter Drysdale, Hironobu Kitaoji (ed.), Japan & Australia: Two Sections and their Interaction, Australian National University Press
 =1982年の欄にある「日本とオーストラリアの公法」の英文
プライバシーと情報公開 +篠原一、原寿雄、堀部政男 世界2月号
基調講演(開かれた行政をめざして−情報公開シンポジウム) 神奈川県情報公開準備室編『情報公開−制度化をめざして』ぎょうせい =1980年11月26日、情報公開シンポジウム
●日本国憲法 森田宗一、高野雄一、中田早苗編『法学入門− わたくしたちのものとしての法』北樹出版
●基調報告 日本での試み(開かれた政府を 第五部シンポジウムから) 朝日新聞5月25日朝刊 →朝日新聞情報公開取材班著『開かれた政府を 日本での情報公開』朝日新聞社、1981 =1981年5月20〜21日、朝日新聞東京本社朝日ホール、シンポジウム「日本型情報公開制度の試み」
経験と憲法状況 +中野孝次 『日本の防衛と憲法』法学セミナー臨時増刊・総合特集シリーズ15
教育を受ける権利 芦部信喜編『憲法V 人権(2)』有斐閣(大学双書)

行政情報の開示と企業秘密の保護−合衆国「情報の自由にかんする法律」の一研究  社会科学研究33巻3号−高柳信一教授還暦記念号
●デモ・集会の自由 杉村敏正、光藤景皎、東平好史編『警察法入門−市民警察とはなにか[第2版]』有斐閣(選書)
●性表現の自由 同上
●警察活動と報道 同上
●警察官(1) 同上
●憲法(奥野発言、<草の根保守主義>、江藤論文と橋本学説) 『世界大百科年鑑1981』平凡社
●オピニオン・ジャーナリズム一九八〇 同上 →稲葉三千男編『「マスコミ」の同時代史』平凡社、1985
内申書裁判と教育裁量−内申書裁判への意見書 法律時報7月号 →『内申書裁判全記録(下)』内申書裁判をささえる会、1989 →自由人権協会編『人間を護る−自由人権協会創立50周年記念』信山社、1997
※※
情報公開法をめぐる問題(特集 資源としての情報) FINEPID32号(情報処理教育研修助成財団)
●パネル討論・自由討論 +ドナルド.C・ローワット、井出嘉憲、富森叡児、加藤芳太郎、辻敬一、山下勇 朝日新聞情報公開取材班著『開かれた政府を 日本での情報公開』朝日新聞社 =1981年5月20〜21日、朝日新聞東京本社朝日ホール、シンポジウム「日本型情報公開制度の試み」(このシンポジウムにおける奥平教授の講演は、本年5月21日参照)
女性最高裁判事の誕生・米−レーガン氏の最高の持ち駒、厳しい環境でどう腕振るう 朝日新聞10月2日夕刊
教科書裁判と国民の思想統制 +家永三郎、稲葉三千男 『教科書と教育』法学セミナー増刊・総合特集シリーズ17
新アメリカ事情−M君への便り 第1〜8回 法学セミナー
 長期滞在のレール敷き 5月号
 春、学問のこと、日本論のこと 6月号
 スーパースター教授、ニュー・スクール、ニューヨークの魅力 7月号
 ニューヨークの日本人、銃器統制のことなど 8月号
 フランクファーター裁判官の謎−H・N・ハーシュの近刊書の紹介 9月号
 “女と男”、“子と親”のあいだの憲法問題 10月号 →≪こだ≫
 「偏狭な信念」からの解放・ニューヨークのLabor Day 11月号
 秋の訪れ、選挙の差止めなど 12月号

「教育を受ける権利」に対し、永井憲一教授による反論が「義務教育の無償性−授業料無償説への疑問」『日本国憲法の理論−佐藤功先生古稀記念』有斐閣、1986→同『憲法と教育基本権<新版>』勁草書房、1985、でなされ、それに奥平教授は1985「試論・憲法研究者のけじめ−とくに教育法学者に教えをこう」と「「機会の均等化」と「均等の機械化」」で反論され、更に永井教授は「義務教育の無償性をめぐる論議」法律時報1987年10月号→杉原泰雄、樋口陽一編『論争憲法学』日本評論社、1994、で再反論され、その後も永井教授は「高等教育における学習権保障と義務教育の無償性−憲法と教育基本法50年と私E」季刊教育法1999年夏号→同『憲法と教育法と共に−永井憲一先生古稀記念』(非売品)2001、でもこの論争につき整理されています。
 また内沢達「義務教育費無償をめぐる諸問題−奥平康弘氏の所論によせて」季刊教育法1987年春号、及び田原宏人「<奥平・永井論争>考−無償教育をめぐる古くて新しい問題」札幌大学教養部紀要36号、1990年、があります。
 2021年1月16日に実施された「令和3年度大学入学共通テスト」(従来の「センター試験」から衣替えした初回のもの)で、「公民」分野の「政治・経済」第2問−問3及び「倫理、政治・経済」第5問−問3の「義務教育の無償性」をめぐる学説と最高裁の判決を読み解く設問にて、この奥平教授の論考が「資料2」、永井教授の『憲法と教育基本権<新版>』所収の論考が「資料1」として用いられました。
なお試験問題では資料2の「(出所)」として奥平教授の論文名が「教育をうける権利」とありますが、当リストにあるように「教育を受ける権利」が正確です。
※※『人間を護る』には中川明「教育評価の特質と裁判−奥平康弘教授の「意見書」解題」 →同著『教育における子どもの人権救済の諸相』エイデル研究所、2016も併せて収録されています。

 
[1982]
“相手方次第主義”を排す−転換迫られる日本及び日本人 東京新聞1月7日夕刊、北海道新聞1月7日夕刊
日本と
オーストラリアの公法 北大路弘信、P・ドライスディル編『オーストラリアと日本−類似と相違』東京大学出版会 =この論文の英文は1981年にあり
●あとがき ≪視点≫

情報公開の世界的潮流 『情報公開と現代』法学セミナー増刊・総合特集シリーズ19
アメリカにおける情報公開の現状−米国の現状から日本の今後を見通す
 同上 →≪表現U≫
ヘルマン嬢の生涯(読んでます) 秋田魁新報8月29日 =リリアン・ヘルマン著『眠れない時代』『ジュリア』『未完の女』をめぐるエッセイ、読書面掲載。
企業情報の秘密保護と情報公開―合衆国の問題状況(1)〜(7・完) ジュリスト9月1日号〜12月1日号
マッカーシィズム下の思想の自由−リリアン・ヘルマン著『眠れない時代』特集 小説に学ぶ) 法学セミナー10月号 →≪物語≫
合衆国最高裁裁判官の政治活動−ブルース・アレン・マーフィー著『ブランダイスとフランクファーターの間柄』
 法律時報11月号

地方で“実績”つみ上げを(実施期迎える情報公開<5> 今後の展望) 信濃毎日新聞12月4日朝刊
新アメリカ事情−M君への便り 第9〜12回 法学セミナー
 実感的連邦制、アメリカ“エスタブリッシュト” 1月号
 女性最高裁判所判事の任命をめぐる政治環境 2月号
 “カナダの憲法事情” 3月号
 寒い話、ポール・ロブソンのこと、人種差別学校の取りあつかい 4月号
“法と社会”時評 法学セミナー
 “日本論”へのひとつの試み−日常的な「国民統合」装置考 11月号 →≪感覚≫
 “新構成”の最高裁判所−日本式組織原理考 12月号 →≪感覚≫

 [1983]
Toward Freedom of Information: The Japanese Case, Government Publications Review Vol.10 No.1
欠ける国民的観点−知る権利より行政重視 朝日新聞1月9日朝刊

名誉毀損と報道の自由(現代の視点) +五十嵐清、柏木千秋 法学セミナー1月号

●自由と人権 
渡辺洋三編『法の常識[新版]』有斐閣(双書)
●国家機構と法 同上
基本的人権と報道の自由
 新聞研究3月号
●平等原則と課税−ゴルフ場娯楽施設利用税(最高裁昭和50年2月6日判決) 『租税判例百選[第2版]』別冊ジュリスト79 
サッコ・ヴァンゼッティ事件とフランクファーター教授−『大岡昇平集』第六巻「解説」余滴 図書4月号
戦争をどう防ぐか<共同討議>(特集 三たび現代文学の基本を問う) +田中直毅、小中陽太郎、伊藤成彦、暉峻淑子、山内敏弘、小田切秀雄、西田勝 季刊文学的立場春号(第3次8号−終刊号)
●違憲審査権 阿部照哉、池田政章編『憲法(4)−統治機構[新版]』有斐閣(双書)
山の騒音街の騒音 リクルートキャリアガイダンス7月号 
教育の自由(憲法の基本問題) 法学教室8月号 →芦部信喜編『憲法の基本問題(基本問題シリーズ1)』別冊法学教室、1988
「自主憲法」論の実体 『80年代の日本国憲法−私はこう考える』岩波書店(ブックレット16)
解説 家永三郎、他編『正木ひろし著作集第五巻−弁護士さん 評論・随想』三省堂 →学術出版会、2008(学術著作集ライブラリーとして復刊)
『事件』と『サッコとヴァンゼッティ』<解説> 『大岡昇平集 第六巻−事件』岩波書店 →『大岡昇平の世界』岩波書店、1989 →≪眼≫
わいせつをめぐる法規制について(性と法律入門講座2) 現代性教育研究6月号−性と法律

冤罪と人間、そして社会 +大岡昇平 『日本の冤罪』法学セミナー増刊・シリーズ[新・権利のための闘争]
米最高裁の憲法判決−日本との差浮き彫り 朝日新聞7月25日夕刊
日本の“情報化”−そのひとこま<法と現代> 判例タイムス9月15日号
今こそ政治改革を 毎日新聞10月13日朝刊 =ロッキード事件・田中元総理第1審有罪判決の記事中寄稿
憲法訴訟の軌跡と理論 『憲法訴訟』法学セミナー増刊 →≪裁判≫
憲法の理念と政治の現実 +江橋崇、杉原泰雄(特集 力の論理と中曽根政権) 世界11月号
人権状況と改憲論(報告) 同上 
デイビッド・ハルバースタム著(筑紫哲也、東郷茂彦訳)『メディアの権力 1・2・3』−生きた人間が登場するジャーナリズム現代史 朝日ジャーナル12月16日
 ※※※
“法と社会”時評 法学セミナー
 「悪口いわれたら、いいかえす」制度−名誉毀損法制考 1月号 →≪感覚≫
 日本版“ヘェア物語−最近の税関検閲事例をめぐって 2月号 →≪感覚≫
 
「ユダヤ人の椅子」−合衆国最高裁の周辺散歩 3月号 →≪こだ≫
 サッコ・ヴァンゼッティ事件−尽きぬ「冤罪」をめぐる論議 4月号 →≪こだ≫
 
選挙権は「基本的人権」か−選挙権論をめぐって(その1) 5月号
※※
 選挙権の法的性質−選挙権論をめぐって(その2) 6月号
※※
 ニューヨーク再訪−本の街を歩く 7月号
 政治のなかの司法審査−ある最近の合衆国最高裁判決を素材にして 8月号 →≪こだ≫
 思想犯に対する保安処分−日本と韓国の場合 9月号 →≪感覚≫
 法と音楽−ある本の紹介 10月号 →≪批判≫
 女と男の関係と国家権力−姦通罪考 11月号 →≪感覚≫
 「午前七時か八時か」の争い−「選挙に関する事項」立法裁量論・考
 12月号 →≪感覚≫

『表現の自由U』の「あとがき」443頁には、この論考の掲載誌名が「性教育研究」となっていますが、当リストにあるように「現代性教育研究」が正確です。
※※「選挙権論をめぐって(その1)」と「同(その2)」に対して、浦田一郎「選挙権論をめぐって−奥平康弘氏の批判に対する反論」法学セミナー1983年9月号、長谷川正安「選挙権論をめぐって−奥平康弘教授の批判に応える」法学セミナー1984年1月号、があります。
その後奥平教授は当リストの1985年にある「参政権論−最近の学会の動向から」で、上記の反論についてもコメントされています。
 この「論争」を詳細に検討したものとして、辻村みよ子「選挙権の「権利性」と「公務性」−「選挙権論争」をめぐって(論争・法律学5)」法律時報1987年6月号。さらに同教授はこの「論争」につき、「これは人権や主権に関する論者の用法を精査せずアメリカ流の人権論にたった批判が奥平教授によって展開されたもので、本来の選挙権論争には混乱の種になったと言える。」辻村「「権利」としての選挙権と「投票価値平等」」明治大学法科大学院論集14号−高橋和之教授古稀記念論文集、2014、の注(4)、と評されています。
※※※
『メディアの権力』の訳は「筑紫哲也、東郷茂彦」なのは1,2のみで、3の訳者は「筑紫哲也、斎田一路」ですが、ここでは掲載誌における表記のまま掲載します。

 
[1984]
憲法と国家 DF『講義法学』
未決在監者の新聞閲読の自由−最高裁昭和五八年六月二二日大法廷判決をめぐって(上)(下)
 判例時報(判例評論)4月1日、5月1日号 ≪なぜ≫

「解釈」あれこれ<随筆> 郵政5月号 
教科書検定(特集 憲法感覚と憲法解釈) ジュリスト5月1日号 →≪感覚≫
立法府裁量論について(第二テーマ報告) 法と民主主義6月増刊号(特集 選挙運動の自由−選挙法はこれでよいのか)

第一・第二テーマ討論 +鶴見雄策、中原精一、杣正夫、川口是、他 同上
『犯罪報道の犯罪』をめぐって +浅野健一、本田靖春 浅野健一著『犯罪報道の犯罪』付録 学陽書房
※※
●討論要旨−シンポジウム現代の裁判  =田村悦一、玉井克哉と共同執筆 公法研究46号
なぜ、新聞は自由なのか(新聞に望むこと) 新聞研究11月号−創刊400号記念号 →≪批判≫ →
『資料集 人権と犯罪報道』法学セミナー増刊、1986
マスメディアの現状とその問題状況 +本多勝一 法と民主主義11月号 本多勝一『マスコミかジャーナリズムか』朝日新聞社(文庫)、1999
犯罪報道に異議あり−いまこそ匿名原則の確立を(特集 新聞批判) +浅野健一、本田靖春 世界11月号

●人権の限界 芦部信喜、池田政章、杉原泰雄編『演習憲法(新演習法律学大系1)』青林書院
●占領下の法令の効力 同上
“法と社会”時評 法学セミナー
 法と政治の“はざま”−雑観・議員定数配分合憲判決 1月号 →≪感覚≫
 新聞・人間・権力−報道の自由・考 2月号 →≪感覚≫
 歪められた裁判−「ローゼンバーグ・ファイル」管見 3月号
 自主独立のユニークな裁判官−ウィリアム・O・ダクラス(1)〜(3完) 4〜6月号
 “たくましい文化”と“びー・ファッショナブル”−青少年の有害図書規制をめぐって 7月号 →≪感覚≫
 “窮鼠、猫を噛むの試み−「違憲・合法」論への疑問 8月号 →≪感覚≫
 日本にいて外国人”とは−外国人規制法規管見 9月号 →≪感覚≫
 制度・人間・裁判官−ある近刊書を読んで 10月号 →≪感覚≫
 
「コード」と「コンテクスト」−刑の時効を考える 11月号
※※※
 “言論”犯罪・考−あおり・そそのかしの罪にむけて 12月号
 →≪感覚≫
散歩道からの眺め 第1〜8回 書斎の窓
 “的外れ”憲法理論のための弁明−「違憲・合法」論議に関連して 4月号
 “いうならば”のモーツァルト−Mozart “as it were” 5月号 →≪批判≫ →≪物語≫
 “昭和75年”雑感−元号と数痴 6月号 →≪感覚≫
 “ペイパーバッグ・オジン”と自衛隊員 7=8月号 →≪批判≫
 真と贋および自分を化かすこと 9月号 →≪批判≫
 公共心と日本的なるもの−わからない話二,三 10月号 →≪批判≫
 “日本”への執着 11月号 →≪感覚≫
 ある『チャタレイ夫人の恋人』物語 12月号 →≪批判≫
●演習憲法 法学教室 
→BF『憲法演習教室』
  犯罪の煽動と表現の自由 11月号
  義務教育の無償 同上
 =1984〜86年に法学教室連載の「演習憲法」は初出時に特に表題がないので、その後1987年に共著書として刊行されたBF『憲法演習教室』において付けられている表題を掲載

法と民主主義2011年8・9月号掲載の「資料・法と民主主義(創刊号〜460号)総もくじ」には、この1984年6月増刊号は掲載されていません。
※※同書はその後講談社文庫及び新風舎文庫としても刊行されましたが、それらにはこの対談は収録されていません。
※※※
「「コード」と「コンテクスト」」に対し、遠藤誠「死刑の時効・再論−奥平康弘教授の批判に答える(上)(下)」法学セミナー1985年3月号、4月号があります。

 
[1985]
行政活動に対する議会統制−合衆国議会の拒否権のばあい 『公法の課題−田中二郎先生追悼論文集』有斐閣
アメリカの「知る権利」−報道陣の力で定着(検証知る権利と報道) 日刊新愛媛1月21日 
評伝ウィリアム・O・ダグラス EDダグラス著『基本的人権』
税関検査の「検閲」性と「表現の自由」(特集 ポルノ税関検閲大法廷判決) ジュリスト2月15日号 →≪なぜ≫
何を論ずべきか−「政治」と「裁判」(いま「ロッキード裁判」とは何か 討議T) +神谷紀一郎、国正武重 世界2月号
弁護士倫理と政治的立場(いま「ロッキード裁判」とは何か 討議U) +倉田哲治 同上

二つの討議をおえて 同上
訳のわからないメッセージ<法と現代> 判例タイムス3月1日号 →≪感覚≫
●苦痛強いる意味ない 北海道新聞3月7日夕刊 =福永前衆院議長辞任のきっかけとなった国会開会式問題について、小沢一郎衆院議運委員長らと共にコメント
戒能通孝著『市民の自由』(私の読書案内) 『新法学案内’85』月刊法学教室増刊
選挙運動の自由と憲法−アメリカ合衆国のばあい 
社会科学研究37巻5号−藤田勇教授還暦記念号 ≪なぜ≫
憲法と言語生活(特集 憲法) 言語生活5月号 →≪感覚≫
懸念されるスパイ防止法案−現状変革図る仕掛け 朝日新聞7月16日夕刊
●棄却決定は妥当 朝日新聞7月21日朝刊 =帝銀事件平沢死刑囚の釈放請求特別抗告最高裁棄却の記事中コメント
参政権論−最近の学会の動向から 『選挙−理論・制度・実態のすべて』ジュリスト増刊総合特集38
改憲への突破口を開く靖国公式参拝−三百代言の言辞を弄し続ける中曽根内閣 公明8月号
“危機に無関心”−常に自戒を(時代の節目に立って−8・15に思う) 公明新聞8月3日 
●「日本人の特性」と憲法 ≪感覚≫ →『読本憲法の100年3 憲法の再生』作品社、1889 →≪物語≫=後半のみ
●あとがき ≪感覚≫
藤田晴子著『議会制度の諸問題』−国会への情報提供となった理論 図書新聞10月19日号
「日本人の憲法感覚」を著した奥平康弘社研教授に聞く 東京大学新聞10月22日号
●今後の運用に大きな影響(淫行処罰規定の合憲判決、識者らの懸念と評価) 朝日新聞10月23日夕刊
国家秘密法案と市民の人権−市民の自由と人権は大丈夫か(シンポジウム要旨) +清水英夫、他 人権新聞12月21日号
税関検査と検閲(ポルノ税関検閲訴訟)−最高裁昭和59年12月12日大法廷判決 樋口陽一編『憲法の基本判例−基本判例シリーズ1』別冊法学教室
 =同判決の評釈が1992年にもあり
権力行使の自覚を(私の教師論 下) 朝日新聞12月27日朝刊

“法と社会”時評 法学セミナー
 続・“言論”犯罪・考−あおり・そそのかしの罪にむけて 1月号
 「総理大臣は『収賄罪』になじまない」?−井上正治「元首の犯罪」論を衝く 2月 →≪感覚≫
 最高裁・藤崎萬里裁判官・イン・ザ・サンシャイン−独特な税関検査合憲論 3月号 →≪批判≫
 取材の自由か取材拒否の自由か−愛媛でのできごとを素材に 4月
 取材の自由か取材拒否の自由か・続−いくつかの事例研究 5月
 三流新聞と、ある合衆国最高裁判決 6月号 →≪こだ≫
 新聞・裁判・嘘−海外便り 7
 「現代情報法」のためのアポロギア 8月

 試論・憲法研究者のけじめ−とくに教育法学者に教えをこう 9月号
※※
 靖国神社「公式参拝」の考察−憲法を軽視する「戦後政治の総決算」 10月号 →≪批判≫補遺あり
 裁判の威信と法廷内の礼節 11月
 「公の秩序をみだすおそれ」の拡張解釈
 12月 →≪こだ≫
散歩道からの眺め 第9〜18回 書斎の窓 →≪批判≫
 思わせぶり情報−ユダヤ人問題に寄せて 1=2月号
 マリファナと“国民代表” 3月号
 国家の陰謀−“税関事件”判決にちなんで 4月号
 おとむらい雑感 5月号
 ある郷愁−青函連絡船のこと 6月号
 海のむこうから−あれこれ 7=8月号
 もう一つ、旅のはなし 9月号
 「機会の均等化」と「均等の機械化」 10月号
 “靖国”の“公式化”を考える 11月号
 戦前日本のほうが遥か「自由な社会」であっかたか?−曾野明「NHK分割のすすめ」を読んで 
12月号
演習憲法 法学教室 →BF『憲法演習教室』
 
 在監者の新聞閲覧の自由 1月号
  憲法三一条
と行政手続 同上
  基本的人権保障と外国人 3月号
  外国人と政治活動 同上
  「二重の基準」理論 8月号
  基本的人権保障と法人 9月号
  政教分離の原則 10月号
  法の下の平等と審査基準 11月号

「教師とは−臨教審への問いかけ 30」として、武田鉄矢さん(当時、「3年B組金八先生」第2シリーズ放映中)、他と共にコメント。
※※「試論・憲法研究者のけじめ」を、「憲法研究者のけじめ」論として内野正幸教授の「厳格解釈論」と共に検討したものとして、市川正人「憲法解釈学の役割・再考−「厳格憲法解釈」の意義と限界」『憲法と憲法原理−状況と展望』ジュリスト臨時増刊1987年5月3日号、があります。

 [1986]
「国家秘密法」必要論を駁す 世界1月号
靖国問題と憲法−靖国墾をめぐって +芦部信喜 法律時報1月号

憲法学−過去・現在・未来(特別企画 法学30年のあゆみと課題) +芦部信喜、高見勝利、戸波江二 法学セミナー1月号
憲法の学習と解釈−奥平康弘教授に聞く 受験新報1月号
政府保有情報の開示請求権をめぐる理論−アメリカ合衆国のばあい 『日本国憲法の理論−佐藤功先生古稀記念』有斐閣 →≪なぜ≫ =『日本国憲法の理論』の[奥付]には、同書の編集代表として芦部信喜、清水睦両教授の名が記されていますが、さらに[あとがき]にて同書の編集にあたった五人として他に菊井康郎、杉原泰雄両教授と共に奥平教授の名も記されています。
「戦後政治の総決算」を総決算する−憲法研究者の立場から(特集 中曽根<新国家主義>の陥穽) +江橋崇、杉原泰雄 世界2月号

「総決算」のイデオロギー状況 同上※※
法廷に出席し傍聴しメモをとる権利−憲法体系からの一考察(特集 裁判の公開−傍聴人のメモ) 自由と正義2月号 →≪なぜ≫
裁判の公開を考える−傍聴人のメモ禁止をめぐって +ローレンス・レペタ、佐野洋、野村二郎、寺尾正二 同上
天皇制思想と学校教育−押しつけには抵抗の心をもって 『天皇制と教育』季刊教育法4月臨時増刊号
映画と検閲 今村昌平、他編『講座・日本映画 2 無声映画の完成』岩波書店
映画の国家統制 今村昌平、他編『講座・日本映画 4 戦争と日本映画』岩波書店
回想映画法 +不破祐俊、佐藤忠男 同上
●判決は健全で正論 朝日新聞5月28日朝刊 =大阪地裁の天皇風刺ビラ押収違法判決の記事中コメント
●人権と表現の自由 毎日新聞6月11日夕刊
 =北方ジャーナル最高裁判決の記事中寄稿
●免責される放送局 朝日新聞6月23日夕刊 =参議院選挙の東郷健候補の政見放送をNHKがノーカットで放送した記事中コメント
●性表現の自由−その許容性をめぐって +環昌一、吉行淳之介 BD『性表現の自由』

●性表現の自由になぜこだわるか 同上
●あとがき 同上
憲法のアプローチ(特集 名誉プライバシーと表現の自由) 法学セミナー10月号
これからの課題−犯罪報道を中心に(特集 名誉プライバシーと表現の自由) +平川宗信、山田卓生 同上
表現の自由の基本原理<法学講演> 法学教室11月号 =7月21日、第6回有斐閣法学講演会
「基本的人権」における「差別」と「基本的人権」の「制限」−「法の下の平等」を考える 名古屋大学法政論集109号−転機にたつ憲法と憲法学・長谷川正安教授退官記念論文集
●学校教育における「平等」と「自由」 ≪批判≫
●あとがき ≪批判≫
“法と社会”時評 法学セミナー
 熊本地裁「丸刈り」判決を読んで 2月号 →≪こだ≫
 読書雑感−ローレンス・H・トライブの最高裁判所裁判官論を中心に 3月号 →≪こだ≫
 「国家」が「忠誠心」を要求するとき 4月号 →≪こだ≫
 性差別と天皇制とを問題にする視点 6月号※※
 いい加減にあしらわれた言論の自由−政見放送カット高裁判決(上)(下) 7月号、月号 →≪こだ≫
 「北方ジャーナル」上告審判決−情報大衆化の中で問われるメッセージのあり方 8月号 →≪こだ≫
 書は捨てず−夏の間の読書余滴 10月号 →≪こだ≫
 “修正”国家秘密法案を眺める視点−「有害無用」が「有用無害」になりえたか 11月号 →≪こだ≫
 政府、“神々”をつくる−厚生省の靖国神社合祀事務協力
 12
月号 →≪こだ≫
散歩道からの眺め 第19〜20回 書斎の窓
 「ヒラヒラ文化」−ひとつの“パフォーマンス”論 1=2月号 →≪批判≫
 わが内なるパターナリズムとその受け皿 3月号 →≪批判≫
●演習憲法 法学教室 BF『憲法演習教室』
  青少年保護条例の「淫行」処罰規定 2月号
  生存権規定の意義 3月号
  法廷における傍聴人の権利 同上
  皇族と選挙権 6月号
  公職選挙法一一条の合憲性 7月号※※※※

朝日新聞1985年12月26日夕刊の見田宗介「論壇時評<上>」にて、この論文が紹介されています。
※※この中での奥平教授による、山口定・大嶽秀夫「対談 戦後日本の保守政治」書斎の窓1985年12月号、における大嶽教授の発言への言及は、「風見鶏の向き(今日の問題)」朝日新聞1986年2月15日夕刊及び「論争のルール(今日の問題)」朝日新聞1986年2月26日夕刊、で取り上げられました。
その後、大嶽教授は「対談始末記「中曽根政治解釈と政治学の客観性・自律性」」書斎の窓1986年4月号、で奥平教授に反論され、以上の経緯は「論点’86 4月<下>」読売新聞1986年4月25日夕刊、で扱われました。
さらに奥平教授は『ヒラヒラ文化批判』における「憲法の“隘路”を打破する中曽根方式」の[補遺]にて、この読売新聞でのコメントに言及されています。
また宗前清貞、酒井大輔編『日本政治研究事始め−大嶽秀夫オーラル・ヒストリー』ナカニシヤ出版、2021、の200頁以下「山口・大嶽論争」も参照。
※※※「性差別と天皇制とを問題にする視点」に対し、水田珠枝「奥平康弘氏の「性差別と天皇制とを問題にする視点」に反論する」法学セミナー1986年9月号、があります。
この論争を検討したものとして、植野妙実子「女性天皇問題を考える(論争・法律学39)」法律時報1992年6月号。さらに植野教授は、この論考が杉原泰雄、樋口陽一編『論争憲法学』日本評論社、1994、に再録された際の[補記]において、「水田・奥平論争も提起した問題は大きかったにもかかわらず、それほど波紋をもたらしたようにはみえなかった。」と評されています。
※※※※成年被後見人の選挙権回復訴訟(東京地裁2013年3月14日判決)において、この論文を被告(国側)が能力による制限の正当性の根拠として提示しましたが、奥平教授は「「公職選挙法11条1項1号で成年被後見人の選挙権を制限することは人権侵害に当たること。(以下略)」などを含む意見書を書き下ろし」、「その中には国が引用した自身の書物は「今から四半世紀も前に出版されたものであって、当時、今日のような後見制度ができることは、 何人も予測していなかったはずです。ことわりも留保もなくこの文書をもって現在引用されることは、私としては不本意なことです。」とまで書かれていた」とのことです。(以上、杉原ひとみ「成年被後見人選挙権確認訴訟第一審判決−被後見人の選挙権を奪う公職選挙法第11条第1項第1号の違憲性を争う」障害法第4号、2020年=筆者は原告側代理人の弁護士)
なお上記判決では同号に違憲判断が下され、同年5月に国会で同号削除の法改正が成立しています。

 
[1987]
●横浜事件と治安維持法 BE『横浜事件』
今、好評の小説は…<あのときあの言葉> 日本経済新聞2月18日夕刊
 日本経済新聞社編『続あのときあの言葉』日本経済新聞社、1987
再び国家秘密法について−報道人免罰規定の意味 世界2月号
●緩やかな解釈疑問(私はこう思う) 朝日新聞3月5日夕刊 =岩手靖国訴訟の盛岡地裁判決の記事中、西川重則、村上重良両氏らと共にコメント
国家秘密法と民主主義−国家秘密法案の提出背景と法案の構造 +進藤栄一 法律時報4月号
ベルトルト・ブレヒト『ガリレイの生涯』、宮沢俊義編『世界憲法集』、J・S・ミル『自由論』 『岩波文庫創刊60年記念 私の三冊(図書臨時増刊)』 →≪物語≫
●権利として保障必要(最高裁判決、識者の意見) 読売新聞4月25日朝刊 =サンケイ意見広告訴訟で反論権否定の記事中コメント 
50年たって見えてきた市民のための憲法的地平
 朝日新聞5月3日朝刊・道内地域版
●表現の自由と国家(憲法を考える<5>) 信濃毎日新聞6月29日朝刊
●委任立法−一般(最高裁昭和33年7月9日大法廷判決) 『行政判例百選T[第2版]』別冊ジュリスト92
揺れる憲法の位置(上)−三権分立への重大な挑戦、(下)−今こそ守り、育てる時(特集 40年目の平和憲法) +山崎朋子、渡辺一郎 公明5月号、6月号

どこへいく、わが司法−岩手「靖国」判決の場合(どこへいく、わが憲法@) 法律時報6月号
国際化とは利害の異なる他人との共存の意識を持つこと(特集 “孤立”への指摘B−拡大再生産される「粗雑な行動様式」) あらはん6月号(日本少林寺拳法連盟) 
国家秘密法について愚問・難問にお答えします 思想の科学(第7次)6月号−国家秘密法研究
今なぜ国家秘密法か−その背景と危険性 筑波学生新聞6月10日号(第57号)
 
鵜飼信成先生のご逝去を悼んで<追悼文> 法律時報7月号

●序−「国家秘密法」の次に待ち受けるもの 茶本繁正、橋本進、前田哲男、梅田正己著『国家秘密法は何を狙うか』高文研
警察の現在−多様化する警察活動と市民 +澤登俊雄、金子仁洋、小池康雄、伊波新之助 『警察の現在』法学セミナー増刊・総合特集シリーズ36
国家秘密法と図書館の自由<講演> 国立国会図書館職員組合、他編集『記録集 講演・集会 国家秘密法と図書館』 =1987年3月19日、東京赤坂公会堂
●スピード違反車両の写真撮影 
BF『憲法演習教室』
●名誉侵害の表現行為と差止め 
同上
日本政治・国際関係・防衛(大項目「日本」) 『日本大百科全書 第18巻』小学館
国家秘密法と言論 +安西篤子、柳田邦夫、他 神奈川新聞社編『「言論」が危うい−国家秘密法の周辺』神奈川新聞社
Some Consideration on the Constitution of Japan,University of Tokyo Istitute of Social Science Occasional Papers in Law and Society No.3 (東京大学社会科学研究所) →Annals of the Institute of Social Science No.29-1987(東京大学社会科学研究所)
“法と社会”時評 法学セミナー
 集会の自由をめぐる問題状況−その一端 1月号
 「アクセス権」そのほか−ことばとの戯れ 3月号 →≪こだ≫
 「葬法」管見−「土葬禁止」の神話をめぐって 4月号 →≪こだ≫

「今、好評の小説は…」の掲載は、「鵜飼信成先生のご逝去を悼んで」においては「日本経済新聞2月19日夕刊」とありますが、当リストにあるように18日が正しいです。

 
[1988]
警職法改正問題 『法律事件百選(900号記念特集)』ジュリスト1月1・15日合併号
報道の自由と人権(特集 問い直される客観報道) +堂本暁子、前沢猛、江川清 言語生活1月号
●戦前“国際国家”日本の実態を知る(推薦文) 『外事警察報 全67・別冊1』内容見本、不二出版 =執筆者は他に石堂清倫、尾崎秀樹、菊地昌典
●街頭演説の許可制(最高裁昭和35年3月3日第三小法廷判決) 『憲法判例百選T[第2版]』別冊ジュリスト95
●名誉毀損と事前差し止め−「北方ジャーナル」事件(最高裁昭和61年6月11日大法廷判決) 同上

権力と民衆から挟撃されるマスメディア−脱出の道はあるか +原寿雄 『人権と報道を考える』学セミナー増刊・総合特集シリーズ39
映画と戦後国家権力 +佐藤忠男 今村昌平、他編『講座・日本映画7 日本映画の現在』岩波書店
福祉国家における表現の不自由−富山県立近代美術館の場合(どこへいく、わが憲法A) 法律時報2月号 →富山県立近代美術館問題を考える会編『富山県立近代美術館問題・全記録』桂書房、2001
ある「騒音」考−政府機関「棄権防止」キャンペインについて 書斎の窓3月号
裁判の公開−メモ禁止訴訟東京高裁判決を契機に +田中輝和、樋口陽一、藤森勝年 ジュリスト3月15日号
●選挙運動の自由と憲法−日本のばあい ≪なぜ≫
●なぜ「表現の自由」か ≪なぜ≫
●法廷内「メモ採取の自由」をめぐって ≪なぜ≫
●あとがき ≪なぜ≫
●“いのち”にかんする憲法ノート−「インフォームド・コンセント」考 ≪こだ≫

●ヘア・スタイルと「表現の自由」 ≪こだ≫
●「葬法」管見のアフターケア−“火葬王国”日本のルーツを探る ≪こだ≫
●大韓航空機事件と“スパイ防止法”案 ≪こだ≫
●その後の合衆国最高裁人事のうごき ≪こだ≫
●フランクファター・ファイル ≪こだ≫

自由と共生のために(平和と基本的人権の再考) 会報司法の窓70号
●プライバシー権−憲法の基軸的権利(日本とアメリカ 四氏に聞く 4) 信濃毎日新聞6月29日朝刊
「奥野発言」の底流を撃つ(戦争への視点) 公明8月号
権力・メディア・市民−ジャーナリズムはどこへ行くのか(特集 人権と報道) +原寿雄、北山六郎、梓澤和幸、他 自由と正義9月号
●後悔をより少なくする道の選択のために(対話の窓) 日本評論社出版案内9月号 =AN『憲法にこだわる』の紹介
●治安維持法 『国史大辞典 第九巻』吉川弘文館
現代の法学の展開と課題−第1部 各法領域から概観する(特集 法律時報六〇年と法学の課題) +室井力、中山研一、籾井常吉、倉沢康一郎、澤木敬郎、椿寿夫 法律時報10月号
なにをなすべきか−第2部 これからの法学の展望と希望(特集 法律時報六〇年と法学の課題) 同上
●討論要旨−シンポジウム現代社会と表現の自由 =共同執筆 公法研究50号
●アクセス権、他 見田宗介、栗原彬、田中義久編『社会学辞典』弘文堂 [縮刷版]1994
“ヒューマン・ライツ”考 『戦後憲法学の展開−和田英夫教授古稀記念論集』日本評論社
一点集中情報−ジャーナリズムの不在を嘆く 法律時報12月号

この論文は1989年3月5日に実施された岡山大学入学試験2次試験の小論文の問題で使用されました(「インフォームド・コンセント」の観念について、「人類に普遍の倫理に根ざしたもの」と著者が主張する根拠と、この考えを日本に導入することの是非について、自分の意見を各300字以内で述べる)。

  [1989]
日本国憲法と「内なる天皇制」 世界1月号 →岩波新書編集部編『昭和の終焉』岩波書店(新書別冊4)、1990
ひと、裁判官、憲法理論−書物の紹介に託して 上・下(どこへいく、わが憲法BC) 法律時報1月号、2月号
●憲法の歴史と基本原理 DD−2『テキストブック憲法[第2版]』
●生存権 同上
●環境権 同上

「ハーバー事件」今昔−函館と毒ガス博士≠フ奇縁 北海道新聞3月25日夕刊
知る権利侵し違憲の場合も(波紋呼ぶ法相発言) 朝日新聞4月13日朝刊 =高辻正己法相の「指揮権」発言の記事中、本田靖春、小中陽太郎両氏らと共にコメント
「政治」を「法」に優先させるな 毎日新聞4月22日朝刊
毅然とした言論貫け(朝日新聞阪神支局襲撃から2年) 朝日新聞5月3日朝刊
日本の神々と日本の憲法−愛媛県靖国神社玉串料支出事件に関連して(どこへいく、わが憲法D) 法律時報7月号
日本における人權保障−制度と その問題點  公法研究第17輯(韓國公法學會) =日本からは他に堀部政男、高橋和之両教授の論文も掲載
世界史のなかの日本国憲法 +井上ひさし 『読本憲法の100年3 憲法の再生』作品社
日本人の憲法感覚(人権を考える) 公明9月号
国旗焼却と表現の自由−合衆国最高裁判決によせて(どこへいく、わが憲法E) 法律時報10月号
憲法政治の復権はいかにあるべきか−リクルート事件以降の現代議会政治論 法律時報11月号
●妥協で無理な理屈(識者の見方にも隔たり 即位の礼・大嘗祭) 朝日新聞12月22日朝刊 =所功、武田清子、葦津珍彦、村上重良、安蘇谷正彦の各氏と共にコメント
法のまわりにある風景 全24回中12回 不動産法律セミナー
 己を知るということ 
1月号
 「見る自分」と「見られる自分」 
2月号
 外から見た日本・日本人 
3月号
 ジャーナリズムの貧困 
4月号
 国境を越えて 
5月号
 “年を祝うこと”の効用 
6月号
 「死刑」という名の「殺人」についての短い考察 7
月号
 未成年者の喫煙は禁じられています 
8月号
 良性の区別と悪性の区別 
9月号
 葦の髄から 
10月号
 センチメンタル・ジャーニー 11
月号
 ある判決を考える 
12月号

読売新聞1988年12月26日夕刊の「論点’88≪12月≫上」欄では「内なる天皇制」のテーマの下、この論文が検討されています。
朝日新聞1989年12月9日夕刊の「論壇(89回顧)」にて、鶴見俊輔氏はこの論文をベスト5の一つに選んでいます。
エコノミスト1990年5月22日号の渡辺治教授による『昭和の終焉』の書評で、特にこの奥平論文を取り上げられています。
鹿野政直著『岩波新書の歴史』岩波書店(新書・別冊9)、2006、の4章「「新世紀につながる時代に対応したい」−新赤版の時代」の「天皇・戦争・災害」の項で『昭和の終焉』を取り上げた中で、特にこの論文を紹介されています。
天野恵一「平成代替り<「生前退位」騒ぎ>の中で」ピープルズプラン74号、2016、と同「「平成代替り状況下でB」ピープルズプラン84号、2019、にて、この論文と1990年の「いま、天皇制を問いつづける意味」の2つを取り上げて検討されています。
論究ジュリスト2018年夏号(26号)掲載の西村裕一「近代日本憲法思想史序説−「内なる天皇制」の観点から」にて、この論文を含む奥平教授の天皇制論を検討されています。


<対談、鼎談、座談、シンポジウム><インタビュー><書評><判例評釈><翻訳>


奥平康弘教授論文リスト
T 1954−1969年
U 1970−1979年
V 1980−1989年
W 1990−1999年
X 2000−2009年
Y 2010−2016年


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                 奥平康弘・樋口陽一両教授 著作目録サイト http://www.sak75.sakura.ne.jp/