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  奥平康弘教授 略歴・著書リスト


 [略歴]
奥平 康弘(おくだいら やすひろ/YASUHIRO OKUDAIRA)
1929年5月19日 北海道函館市生まれ
1950年 旧制弘前高校卒業
       東京大学法学部法律学科入学
1953年       同    卒業
       東京大学社会科学研究所助手(〜1957年)
1957年 専修大学法学部講師(〜1959年)
1959年 ペンシルバニア大学ロースクール修士課程入学
1960年       同        比較法修士号取得
1961年 名古屋大学法学部助教授(〜1966年)
1966年 東京大学社会科学研究所助教授
1973年       同     教授(1990年定年退官)
1986年       同     所長(〜1988年)
1990年 国際基督教大学教養学部教授(〜1997年)
      東京大学名誉教授
1999年 神奈川大学短期大学部特任教授(〜2002年)
2006年 立命館大学客員教授(〜2007年)
2015年1月26日 85歳で逝去

  参考:社会科学研究41巻6号、1990.3
      奥平康弘著『憲法を生きる』日本評論社、2007

管理人コメント:
上記の様に奥平教授はその研究生活の大部分を東大社会科学研究所で送られたわけですが、そのこと(法学部の教員でなく研究所の所員であること)の教授の憲法理論への影響についての、江橋崇教授による興味深い指摘につき、以下の書評欄にもある社会科学研究36巻4号 283頁、をご参照ください。
(なお奥平教授とは直接関係のない論説ですが、東大社研の英語名が「Institute of social science」と単数形であることの興味深いエピソードにつき、馬場宏ニ「「社会科学」の語原学」社会科学研究46巻2号、1994 及び同「宇野社会科学論小史」UP1997.8.をご参照ください。)

また奥平教授が国際基督教大学(ICU)に在職されたことに関連した記事として、当サイトの[奥平教授1996年]欄の注記をご参照ください。

[著書・編著書]      ≪ ≫は論文の欄で使用する略号           
 A<単著書>   
1970 @『表現の自由とはなにか』中央公論社(新書209)
1977 A『治安維持法小史』筑摩書房
      −2 岩波現代文庫(学術161) 2006 岩波書店
1979 B『知る権利』岩波書店(現代法叢書)
1979 C『同時代への発言−一憲法学徒として 上 1959−1970』東京大学出版会 ≪発言≫
       『同時代への発言−一憲法学徒として 下 1971−1978』東京大学出版会 ≪発言≫
1981 D『憲法−学習と実践のために』弘文堂(入門双書)
1982 E『現代の視点−反・大勢からの発想』日本評論社 ≪視点≫
1983 F『コンメンタール改憲論者の主張』岩波書店(ブックレット19)
1983 G『表現の自由T−理論と歴史』有斐閣(東京大学社会科学研究所研究叢書第59冊) ≪表現T≫ =現在オンデマンド化
1984 H『表現の自由U−現代における展開』有斐閣(同第60冊)                  ≪表現U≫ 同上
1984 I『表現の自由V−政治的自由』有斐閣(同第62冊)                      ≪表現V≫ 同上
1984 J『日本国憲法−理解と実践のために(高校生のための現代社会7)』東研出版
      −b [新装版]1989
1985 K『日本人の憲法感覚』筑摩書房 ≪感覚≫
1986 L『ヒラヒラ文化批判』有斐閣 ≪批判≫
1988 M『なぜ「表現の自由」か』東京大学出版会(東京大学社会科学研究所研究叢書第71冊) ≪なぜ≫
      −b [新装版]2017      
1988 N『憲法にこだわる』日本評論社 ≪こだ≫
1993 O『憲法V−憲法が保障する権利』有斐閣(法学叢書10) =現在オンデマンド化
1994 P『いかそう日本国憲法−第九条を中心に』岩波書店(ジュニア新書235)
1995 Q『法ってなんだ』大蔵省印刷局
1995 R『憲法裁判の可能性』岩波書店 ≪裁判≫ =現在オンデマンド化(岩波オンデマンドブックス)
1996 S『これが破防法』花伝社
1997 21『ジャーナリズムと法』新世社(新法学ライブラリ34)
1998 22『憲法の眼』悠々社 ≪眼≫
1999 23『「表現の自由」を求めて−アメリカにおける権利獲得の軌跡』岩波書店
2001 24『憲法のいま・憲法とわたし』川崎市生涯学習振興事業団かわさき市民アカデミー出版部(かわさき市民アカデミー講座ブックレット5)
2003 25『憲法の想像力』日本評論社 ≪想像≫
2005 26『「萬世一系」の研究−「皇室典範的なるもの」への視座』岩波書店 ≪萬世≫
       −2 岩波現代文庫(学術359、360) 上・下(全2冊) 2017 岩波書店
2007 27『憲法を生きる』日本評論社
2015 28『「憲法物語」を紡ぎ続けて』かもがわ出版 ≪物語≫

Aにある「はしがき 付記」は、A−2の岩波現代文庫版では割愛されています。

M−bには木村草太「解題」あり。
26−2上には長谷部恭男「解説(1)」 →同著『憲法学の虫眼鏡』2019、羽鳥書店、あり。
26−2下には島薗進「解説(2)」 →同著『戦後日本と国家神道−天皇崇敬をめぐる宗教と政治』2021、岩波書店、あり。

内容による大まかな分類:
   GHIMR26は論文集、DJは入門書、@ABFS21,23は個別分野の概説書、Oは体系書、
   CEKLNQ22,25,28は時論・小論を集めたもの、P24,27は一般読者向け(書き下ろし、語り下ろしが中心)。

A@の21〜42頁は、清水英夫編『法と表現の自由』法学書院(法学文献選集9)1972、に再録。
AN『いかそう日本国憲法』の第二章、第三章は、小森陽一編『平和が生きるとき−憲法はいま@ 自薦集パート1』かもがわ出版、2004、に再録(平和憲法の「物語」における「はじまり」−第九条の成立とその背景、「物語」のおかしな「展開」−「敵役」自衛隊の登場)
A24『憲法のいま・憲法とわたし』はA28≪物語≫に一部整理の上、再録

管理人が所有しているもの:@、A−2、B〜F、H、J〜R、21〜28(A−2、27及び下記のBFは奥平教授より贈呈して頂いたもの)

以上に対する書評・紹介:
@半沢弘     読売新聞1970.3.20朝刊
 稲葉三千男  「多くの教示をうけつつもひとこと……」(一冊異評)出版ニュース1970.3月下旬号 
 新井直之    「考えるヒントを与えてくれる」(一冊異評)同上
 伊藤正己    「「受け手の権利」強調」日本経済新聞1970.3.26
 佐藤幸治    朝日ジャーナル1970.4.26
 清水英夫    法律時報1970.11
A星野安三郎  「極めつきの悪法たる所以を解明」週刊読書人1977.12.12
 大野達三    「戦後初めての本格的研究書」文化評論1978.1 
 浅田光輝    現代の眼1978.2
 山田武生    日本史研究186号 1978.2
 久岡康成    法律時報1978.3
 −2 海渡雄一 「共謀罪(ひもとく)」 朝日新聞2017.2.12朝刊
B清水英夫   「情報の自由化めざして」赤旗1979,4,16
   同      「米国の現状など紹介」東京新聞1979.4.21夕刊、中日新聞1979.4.24朝刊
 (無署名)    読売新聞1979.4.30朝刊
 (無署名)    朝日新聞1979.5.20朝刊
 (無署名)    「アメリカに脱帽、日本に絶望それでは済まぬ」毎日新聞1979.5.21朝刊 
 浜田純一    Law School1979.6
 佐藤幸治    法律時報1979.8
 堀部政男   「国民の請求権に重点−今後の運動展開に有効な理論づけ」図書新聞1979.5.12
  同       「知る権利・情報公開運動の理論武装に」総合ジャーナリズム研究1979.夏季号
 斎藤文男    法学セミナー1979.10
 小野征夫   「国民主権原理・知る権利・学習権」月刊社会教育1980.5
C清水英夫   「“表現の自由”が主軸に−その場かぎりの評論とは違ったコクがある」週刊読書人1979.8.20・27合併号
 室井力     「憲法学者のみた現代」赤旗1979.8.27
 久野収     「憲法学者による戦後民主主義の適確なカルテ」週刊ポスト1979.10.19 
 江橋崇     「すぐれて現代的な法思想家の思索の軌跡」朝日ジャーナル1979.12.16
 家永三郎    法学セミナー1980.3
D(無署名)   読売新聞1981.4.27朝刊
  浦田賢治   法学セミナー1981.9
G〜I新井章  法律時報1985.1
G江橋崇     社会科学研究36巻4号 1986.11
H石村善治       同      5号 1987.1
I横田耕一       同      6号 1987.3
K高畠通敏    「複雑な法律論議をやさしく説く」週刊朝日1985.10.11 
            =筆名は<恵>となっていますが、「立教法学52号−高畠通敏教授退職記念」1999年、によるとこれは高畠教授とのことです。
 清水睦      「庶民性溢れた語りくちに魅力」公明新聞1985.10.28
 戸松秀典    「快適な論調のエッセイ−日本人の特性と憲法の様相描く」図書新聞1985.12.7
 森英樹      法学セミナー1986.2
L長谷部恭男   法学セミナー1987.4
M(無署名)    「個人と社会のかなめ」朝日新聞1988.5.2
 樋口陽一    「人間の自由の基本的考察」東京大学新聞1988.6.7 →同『何を読みとるか−憲法と歴史』東京大学出版会 1992
  浜田純一    ジュリスト1988.9.1
  横田耕一    法律時報1988.11
  高見勝利    社会科学研究40巻4号 1988.11
  川岸令和    「歴史的関心と融合した自由探求の哲学的思考」長谷部恭男編『憲法本41』平凡社 2001
N清水英夫   「考察の基本は比較法的−憲法“保守”のラジカリズム」図書新聞1985.5.28
 横坂健治    法と民主主義1988.7
 黒岩哲彦    東弁新聞161号(1988.9.20)   
 戸波江二    法学セミナー1988.12
O横田耕一    ジュリスト1993.11.15
  長谷部恭男  「疾走する著者によるアンチ“標準的教科書”」法学セミナー1993.11
  浦田一郎    憲法理論研究会編『憲法理論叢書A 人権理論の新展開』敬文堂 1994
  赤坂正浩    「奥平康弘の「個人・権利・制度」観」長谷部恭男編『リーディングス現代の憲法』日本評論社 1995
P木村草太    「小学生からの憲法を学べる本11冊」木村草太著『ほとんど憲法−小学生からの憲法入門[上・下]』リーフレット、河出書房新社、2020.2
S福田雅章    エデュカス1996.4
21大石泰彦    法学教室1997.10
 立山紘毅    「表現する側・される側、読者・視聴者、そして国家−この複雑な多面的関係」法学セミナー1997.11
22川人博     「混迷する時代に指針与える」信濃毎日新聞1998.8.16朝刊
  小畑清剛    法学教室1998.9
  愛敬浩二    「現代憲法学の冒険」法学セミナー1999.2
23大久保史郎   法律時報2000.5
  高橋泉      法学セミナー2000.5
 梓澤和幸    「膨大な判例資料と文献の研究によって表現の自由とは何かに迫る−哲学的な思索、そして魅力的な文体」図書新聞2000.6.10
 鈴木みどり    週刊金曜日2000.10.6
 田畑重志     ヒューマンライツ2000.10
 明戸隆浩     「ヘイトスピーチ−「規制か自由か」を超えて(ニュースの本棚)」朝日新聞2014.9.14朝刊
25古関彰一    「芸術、ポルノ、死刑制度 闊達に時代を語る」東京新聞2003.5.4朝刊、中日新聞2003.5.4朝刊
 有本忠浩     「平和の礎よ、どこに行く−『憲法の想像力』著者・奥平康弘さん」毎日新聞2003.7.6朝刊
 愛敬浩二+中島徹 「瑞々しい「想像力」をはたらかせて憲法を考えることの意味」法学セミナー2003.10
 木村草太     週刊現代2016.6.25 =「人生最高の10冊」の第1位として同書を紹介
26苅部直      「この国の憲法で天皇とは何か」外交フォーラム2005.6 →同『鏡のなかの薄明』幻戯書房、2010
 神坂昇      葦牙37号 2006.7
 天野恵一     「平成代替り<「生前退位」騒ぎ>の中でA(只今闘病中−読書ノート28)」季刊ピープルズプランvol.75、2017
 中島晃       「皇室典範と憲法原則との本質的な矛盾を考える」法と民主主義2017.10
 池澤夏樹、片山杜秀、木村草太 「鼎談 象徴天皇(今週の本棚)」毎日新聞2018.9.30朝刊
 吉田傑俊     「神権主義的「皇室典範」の問題」同著『象徴天皇制考−その現在・成立・将来』本の泉社、2018
 佐倉統      「天皇「脱出の権利」改めて考える」朝日新聞2019.3.28朝刊
 原武史      『一日一考日本の政治』河出書房新社(新書)、2021 =「脱出の権利」を論じた箇所(単行本で380頁)について
27梓澤和幸    「「作品としての人生」が浮かび上がる−研究者人生の総括書」図書新聞2007.9.8
 樋口陽一     「憲法9条と立憲主義−奥平康弘さんの『憲法を生きる』に触発されて」法学セミナー2007.11 →同『憲法という作為』岩波書店、2009
 石川健治     「胡蝶の夢、あるいは生きられた物語としての憲法」法学セミナー2008.1
28村田尚紀    「書き手も読み手も主体は国民」京都新聞2015.8.16朝刊、神奈川新聞2015.9.6
 岩瀬達哉     「「集団的自衛権」を考えるうえで欠かせない憲法学者の書」週刊ポスト2015.9.11
 堀尾輝久     「人間と自由問う姿勢を鮮明に」しんぶん赤旗2015.9.27

石川教授は別のところでこの書評につき「つまるところ、奥平が憲法をつくったのか、憲法が奥平をつくったのか、という発問」と書かれています。(『東京大学法学部研究・教育年報20』2009)

   
  奥平教授の著書、編著書(管理人の本棚より)

 B<共著書> +共著者
1959 @『総合判例研究叢書 憲法(2)』有斐閣 +宮田豊、川上勝己、大野直盛
1973 A『思想・信条の自由』民衆社(職場の権利必携シリーズ2) +浅井清信、有倉遼吉、磯田進、今村成和、松岡三郎
1976 B『未来社会と法−現代法の諸問題W』筑摩書房(現代法学全集54) +山本草ニ、塩野宏、下山俊次
1976 C『現代社会と法−NHK大学講座 法学1』NHKサービスセンター +潮見俊隆、佐藤功、正田彬、川添利幸、高梨公之、片岡f
      『現代社会と法−NHK大学講座 法学2』NHKサービスセンター +片岡f、正田彬、潮見俊隆、佐藤功、川添利幸、高梨公之
1986 D『性表現の自由』有斐閣(人権ライブラリイ) +環昌一、吉行淳之介
1987 E『横浜事件−言論弾圧の構図』岩波書店(ブックレット78) +海老原光義、畑中茂雄
1987 F『憲法演習教室』有斐閣(法学教室選書) +杉原泰雄
2002 G『憲法対論−転換期を生きぬく力』平凡社(新書164) +宮台真司(対談)
2004 H『憲法九条、今こそ旬』岩波書店(ブックレット639) +井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、加藤周一、小田実、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子
2005 I『憲法九条、未来をひらく』岩波書店(ブックレット664) +井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、加藤周一、小田実、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子
2008 J『憲法九条、あしたを変える−小田実の志を受けついで』岩波書店(ブックレット731) +井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子、玄順恵
2009 K『加藤周一のこころを継ぐために』岩波書店(ブックレット771) +井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、澤地久枝、鶴見俊輔、成田龍一、矢島翠
2010 L『ジャーナリズム・権力・世論を問う(シリーズ時代を考える)』新泉社 +加藤紘一、斎藤貴男、若宮啓文、枝野幸男
2010 M『井上ひさしの言葉を継ぐために』岩波書店(ブックレット798) +井上ひさし、井上ユリ、梅原猛、大江健三郎、澤地久枝、鶴見俊輔
2011 N『原発への非服従−私たちが決意したこと』岩波書店(ブックレット822) +鶴見俊輔、澤地久枝、大江健三郎
2013 O『いま、憲法の魂を選びとる』岩波書店(ブックレット867) +大江健三郎、澤地久枝、三木睦子、小森陽一
2013 P『安倍改憲の野望−この国はどこへ行くのか』かもがわ出版 +樋口陽一、小森陽一(鼎談)
      −b [増補版]2014
2014 Q『未完の憲法』潮出版社 +木村草太(対談)
2015 R『憲法九条は私たちの安全保障です。』岩波書店(ブックレット918) +梅原猛、大江健三郎、澤地久枝、鶴見俊輔、池田香代子、金泳鎬、阪田雅裕

CはNHK教育テレビで1976年4月〜77年3月・毎週月曜6:30〜7:00(再放送は11:30〜0:00)に放送された講座のテキスト。1は4月〜9月、2は10月〜3月の放送用。
P−bでは、134〜141頁に小森陽一「自衛隊の海外での武力行使への大転換」が増補されています。

共著書における奥平教授の執筆箇所は、各年の論文リスト欄参照

管理人が所有しているもの:D〜HKLPQ

 以上に対する書評・紹介:
G東浩紀   「自由と天皇の間で」週刊読書人2003.1.31
 永江朗    「憲法とは考えるための道具」週刊朝日2003.2.7 
 宮崎哲弥  諸君!2003.3 →同『新書365冊』朝日新聞社(新書)、2006
 及川道比古 「担当編集者がススメます」『法学入門2003』法学セミナー増刊
Q姜尚中   「私たちが目指す平和とは何か」潮2014.5
 伊藤真    「深い理解への「入門書」」公明新聞2014.6.16
 吉岡忍    「世代超えて縦横に議論」北海道新聞2014.6.22朝刊
R鈴木邦男  「反対意見に学び、自分を鍛える」『スマホだけでは物足りない!ブックレットの魅力<岩波ブックレット1000号突破>』2019、岩波書店(非売品)

B−2<共著書> 文部(科学)省検定済教科書・高等学校社会科/公民科用 全て一橋出版 +共著者
1977 『政治・経済』 +長洲一二、高畠通敏、岸本重陳
1980 『政治・経済[改訂版]』 +長洲一二、高畠通敏、岸本重陳
1982 『現代の政治・経済』 +長洲一二、高畠通敏、岸本重陳
1985 『現代の政治・経済[改訂版]』 +長洲一二、高畠通敏、岸本重陳
1988 『政治・経済』 +他4名
1991 『政治・経済[改訂版]』 +他4名
1994 『政治・経済』 +他6名
1999 『現代政治・経済』 +高畠通敏、岸本重陳、他3名
2004 『政治・経済』 +高畠通敏、岸本重陳、道盛誠一、他3名

1982 『現代社会』 +高畠通敏、岸本重陳、見田宗介
1985 『新現代社会』 +高畠通敏、岸本重陳、見田宗介
1988 『新現代社会[改訂版]』 +他6名
1991 『新現代社会[三訂版]』 +他6名

管理人コメント:
この『政治・経済』の教科書は、「永井[道雄]文相出現の機会をとらえて、かつて検定で拒否された長洲一二氏を編集代表として、気鋭の書き手を集めて意欲的な教科書をつくりたい(高畠通敏教授)」というもので、「三十五万冊の採択数があり、これは一橋出版としても、おそらく「政治・経済」という科目としても、空前絶後の記録」でしたが、その後「一橋出版は二〇〇九年四月末に抜き打ち的に会社破産の発表を行い、この教科書は二〇〇九年度限りの発行となってしまいました」とのことです。
(以上、五十嵐潤「下からの目線に立った高校社会科教科書」岸本重陳追悼文集刊行委員会(代表:有賀千代見)編『愛−岸本重陳の思い出』製作・発売元;藤原書店、2009、より。)

また奥平教授の教科書執筆に関する興味深い記事として「執筆者の悩みと妥協(’84教科書検定 下)」読売新聞1984年7月3日朝刊。


 C<単編著書>
1973 @『治安維持法(現代史資料45)』みすず書房 =現在はオンデマンド版
1977 A『自由権−思想・表現の自由(文献選集日本国憲法6)』三省堂
1980〜81 
     B『昭和思想統制史資料 第1巻〜第23巻』(全25冊)生活社 =編集・解題代表
        第1巻〜第3巻=共産主義・無政府主義篇@〜B、の編集・解題を担当
1981 C『青少年保護条例・公安条例(条例研究叢書7)』学陽書房
1991〜92 
     D『言論統制文献資料集成 第1巻〜第20巻、別巻』(全21冊)日本図書センター =監修
1992 E『現代憲法の諸相−高柳信一先生古稀記念論集』専修大学出版局
1996 F『破防法でなにが悪い!?−自由を守るための多角的視点』日本評論社

 以上に対する書評・紹介:
@星野安三郎 週刊読書人1973.12.10
 吉見義明 史学雑誌83編1号 1974.1
 和田洋一 新聞学評論27号 1978
B伊藤隆 「長年にわたる困難な調査の成果」図書新聞1982.3.27 →同著『落ち穂拾い 昭和52年〜昭和62年』(私家版)2013

管理人コメント:
Aはいわゆるアンソロジーですが、奥平教授自身の著作は再録されていません。
この『文献選集日本国憲法(全16巻)』について、手島孝、大隈義和、大江正昭「学界展望 憲法」公法研究40号、1978、では「その昔子規が門弟格堂に与えたという“「国力」に歌を出すともおのが歌ばかりな出だし歌はよくとも”の戒めを守った選者もいれば、そうでない場合もあ(る)」と評されていますが、本巻編者の奥平教授は前者ということになります。

Bはこの全25冊の他に、小森恵編『思想統制史研究必携−昭和思想統制史資料 別巻上・下、補巻』(全3冊)があります。

 D<共編著書> +共編者
1959 @『憲法』高文社(法律学ハンドブック2) +鵜飼信成
      −2  [改訂版]1961
1974 A『憲法を学ぶ−現代憲法学の理解のために』有斐閣(選書26) +杉原泰雄
      −2  [第2版]1985
        3  [第3版]1996
        4  [第4版]2001
        第2版以降のサブタイトルは、−いまなぜ憲法を学ぶか
1974 B『知る権利−マスコミと法』有斐閣(選書) +石村善治
1976 C『憲法学−(1)人権の基本問題T』有斐閣(双書) +杉原泰雄
       『憲法学−(4)統治機構の基本問題T』有斐閣(双書) +杉原泰雄
       『憲法学−(2)人権の基本問題U』有斐閣(双書) +杉原泰雄
1977   『憲法学−(6)統治機構の基本問題V』有斐閣(双書) +杉原泰雄
       『憲法学−(3)人権の基本問題V』有斐閣(双書) +杉原泰雄
       『憲法学−(5)統治機構の基本問題U』有斐閣(双書) +杉原泰雄
1977 D『テキストブック憲法』有斐閣(ブックス13) +川添利幸、丸山健
      −2  [第2版]1989
1978 E『アメリカ憲法の現代的展開1 人権−鵜飼信成教授古稀記念』制作:東京大学出版会(非売品) +芦部信喜、和田英夫
      −b 『アメリカ憲法の現代的展開1 人権』東京大学出版会 +同
       両書は同日刊行。前者は冒頭に鵜飼信成教授の肖像写真と奥平教授による献呈の言葉があり、それ以外は後者と同一内容。
1984 F『講義法学』青林書院(新講義シリーズ) +福田平、水本浩
2001 G『盗聴法の総合的研究−「通信傍受法」と市民的自由』日本評論社  =小田中聰樹と共監修(右崎正博、川崎英明、田島泰彦編)
2013 H『危機の憲法学』弘文堂 +樋口陽一
2013 I『改憲の何が問題か』岩波書店 +愛敬浩二、青井未帆
2014 J『集団的自衛権の何が問題か−解釈改憲批判』岩波書店 +山口二郎

 管理人が所有しているもの:A−1、4、B、D−2、H〜J

 以上に対する書評・紹介:
E浦部法穂  法律時報1979.4
H上丸洋一  「憲法の対応力を理論的に検討」朝日新聞2013.3.31朝刊
IChris Winkler,Social Science Journal Vol.17 No.2(OXFORD UNIVERSITY PRESS)2014

E<翻訳書> +共訳者(共訳の場合)
1960 @ウィリアム・O・ダグラス著『基本的人権(鵜飼信成、中尾健一編・アメリカ思想史叢書W)』有信堂
       William O.Douglas“The Right of The People”1958
1975 AW.フリードマン編『公社制度の比較研究』公企業研究調査会井出嘉憲、田口富久治、寺戸恭平 ≪公社≫
       edited by W.Friedmann “The Public Corporation−A Comparative Symposium”1954
1980 Bリチャード・H・ミッチェル著『戦前日本の思想統制』日本評論社 +江橋崇
       Richard H.Mitchell “Thought Control in Japan”1976
1983 CW.M.リースマン著『贈収賄の構造』岩波書店(現代選書83)
      W.Michael Reisman“FOLDED LIES−Bribery,Crusades,and Reforms”1979
1985 Dウィリアム・O・ダグラス著『基本的人権』学陽書房 =E@の全面改訳版
1992 Eカール・バーンスタイン著『マッカーシー時代を生きた人たち−忠誠審査・父と母・ユダヤ人』日本評論社

 管理人が所有しているもの:D

 以上に対する書評・紹介:
@横越英一  「アメリカ的な思想の息吹き」日本読書新聞1960.6.20
A丹宗暁信  法律時報1976.7
B田村譲   「治安維持法に焦点−新しい視点と独自の考察方法で再検討」週刊読書人1980.11.17
 松尾尊~  「目につく日本近代史の常識を疑わせる解釈と誤り」朝日ジャーナル1980.12.12
 森長英三郎 法律時報1980.12
C(無署名)  「第三者的な視覚でメス」読売新聞1983.11.21
 筒井清忠  「冷厳な観察眼で分析−「神話システム」と「操作コード」との微妙な緊張関係」週刊読書人1984.2.6
E陸井三郎  「示唆的な父子の断絶−異常な時代の追究には突込み不足の感も」週刊読書人1992.6.1
 田草川弘   潮1992.6

 <記念論集>
@長谷部恭男、中島徹編『憲法の理論を求めて−奥平憲法学の継承と展開』日本評論社、2009 =傘寿記念論文集
A樋口陽一、中島徹、長谷部恭男編『憲法の尊厳−奥平憲法学の継承と展開』日本評論社、2017 =追悼論文集
 Aには「奥平康弘先生主要著作目録」=当サイトのデータを提供させていただいたもの、あり。




奥平康弘教授の論文のリストはこちら
T 1954−1969年
U 1970−1979年
V 1980−1989年
W 1990−1999年
X 2000−2009年
Y 2010−2016年


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                 デニーズ逗子店のテラスより  2007年12月撮影
                 (2009年9月28日をもって閉店してしまい、残念です。)


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                  奥平康弘・樋口陽一両教授 著作目録サイト http://www.sak75.sakura.ne.jp/